明日から3日休むので5連休です。
去年は論文で夏休みはほぼ自分のためだけに使いました。金曜日の朝、普通に出社しているふりをしながら六甲に直行し、コンビニかオアシスで食料を買い込み、バスに乗って自習室に直行。そして夜までひたすら書きまくる。自習室・図書館・トイレだけが行く場所で、あとは開いていれば生協ぐらいか。ふと気付くと最終バスはとっくに出てしまっていて、とぼとぼ歩いて家路に就くような生活でした。そして土日は始発で家を出て終電まで六甲籠り。会社でも仕事をしているふりをしながら内職する。最後は、仕事の都合で、締め切りの前の金曜日に提出する必要があって、木・金と会社を休んで家に籠り、金曜日の午後2時に書きあがり、午後5時に提出と綱渡りでした。とにかく論文に追われた夏でした。その割には完成度が低い・・・・。
それでも、毎年家族旅行だけはするようにしていて、去年は論文書いてから2泊3日で九州に行きました。今年は北海道にしました。北海道といっても、旭山動物園と札幌、そして嫁はんのために定山渓で温泉。子どものため(ある意味自分のためでもあるが)札幌から大阪までトワイライトエクスプレスに乗ります。嫁はんはこれが気に入らない。しかし、記念ということで押し通しました。
本もいっぱい持っていきます。ある意味チャンスですから。
おもにMBAプログラムや論文執筆の過程で読んできた経営学と経済学の書籍、それと経営学を理解するために必須の哲学や社会学についての書籍を読み直しています。その時に読めなくて積読になっていた本も読み進めます。MBAを修了したものの、継続的に学ぶためには、何らかの強制力が必要です。そこで、硬軟織り交ぜてご紹介できればと思います。
2010年8月23日月曜日
組織認識論(加護野) まだ読了しません
まだ読み進めていません。夏休みを今週とるので、集中して読みます。
久々に普通の旅行(うちの旅行はキャンプか普通の旅行です)に行く計画です。場所は北海道。この冬に北海道に出張しましたが、ロクなものも食べずに帰ってきてしまいました。息子は鉄道好きで、鉄道でどこかに行くのが大好き。そこで札幌から大阪までトワイライトエクスプレスに乗ることにしました。B寝台しか空席がなく、嫁さんは嫌がっていますが、汽車の中ではすることもないので、本をたくさん読めればと思っています。これ以外に数冊持っていく予定です。
久々に普通の旅行(うちの旅行はキャンプか普通の旅行です)に行く計画です。場所は北海道。この冬に北海道に出張しましたが、ロクなものも食べずに帰ってきてしまいました。息子は鉄道好きで、鉄道でどこかに行くのが大好き。そこで札幌から大阪までトワイライトエクスプレスに乗ることにしました。B寝台しか空席がなく、嫁さんは嫌がっていますが、汽車の中ではすることもないので、本をたくさん読めればと思っています。これ以外に数冊持っていく予定です。
2010年8月18日水曜日
論文の作法
8月12日の「他流試合」のエントリーに論文を書く際に気をつけるべき点をまとめました。
これから論文を書かれる方々の参考になるように、エントリーを独立させてさらに加筆しました。
私は研究者ではありません。一度学位論文を書いただけにすぎません。審査会には通りましたが、自分の学位論文の中味が学術的に優れているとは到底言えないでしょうし、実務上のインプリケーションがきちんとしている自信もありません。ただ、日本語、英語を問わず、論文を書く際に読んだ論文数は、MBAの学生としては相当多いと思います。読んでいるうちに気付いたのは、論文にはスタイルがあって、それを踏み外してはいけないということでした。
ですから、体裁にはこだわりました。おそらく論文を書く上でもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。
・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。
・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。副題をつけるときに「~」(全角チルデ)か「―」(全角ダッシュ)にするか、それとも「:」で十分か。先生の指示に従います。(ちなみに私は「~」でしたが、英語論文の副題は必ず「:」ですし、OPAC見ても副題は「:」で区切っています)。
・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。
・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。全体的な体裁については、『赤門マネジメントレビュー』(AMR)の投稿テンプレートが役に立ちます。ちなみに本文の指定はMS明朝11ポイント、英文はTimesNewRomanです。1000文字なら12ポイントでもいいと思います。
・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派なので、「、」で統一しましたが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。ちなみに、AMRでは「、」です。
・ 目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動 でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところに も気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、 目次、参考文献の順番です。
・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。
・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。参考文献に掲載している論文や書籍のレベルで当該論文のレベルが分かるという先生までいます。その研究で必須と言われる論文は絶対に押さえておきます。
・ 参考文献の表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。私の場合は、AMRをベースに、先生のやり方を踏襲しました。
・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。
・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。
・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。
・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。
・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。
これから論文を書かれる方々の参考になるように、エントリーを独立させてさらに加筆しました。
私は研究者ではありません。一度学位論文を書いただけにすぎません。審査会には通りましたが、自分の学位論文の中味が学術的に優れているとは到底言えないでしょうし、実務上のインプリケーションがきちんとしている自信もありません。ただ、日本語、英語を問わず、論文を書く際に読んだ論文数は、MBAの学生としては相当多いと思います。読んでいるうちに気付いたのは、論文にはスタイルがあって、それを踏み外してはいけないということでした。
ですから、体裁にはこだわりました。おそらく論文を書く上でもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。
・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。
・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。副題をつけるときに「~」(全角チルデ)か「―」(全角ダッシュ)にするか、それとも「:」で十分か。先生の指示に従います。(ちなみに私は「~」でしたが、英語論文の副題は必ず「:」ですし、OPAC見ても副題は「:」で区切っています)。
・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。
・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。全体的な体裁については、『赤門マネジメントレビュー』(AMR)の投稿テンプレートが役に立ちます。ちなみに本文の指定はMS明朝11ポイント、英文はTimesNewRomanです。1000文字なら12ポイントでもいいと思います。
・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派なので、「、」で統一しましたが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。ちなみに、AMRでは「、」です。
・ 目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動 でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところに も気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、 目次、参考文献の順番です。
・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。
・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。参考文献に掲載している論文や書籍のレベルで当該論文のレベルが分かるという先生までいます。その研究で必須と言われる論文は絶対に押さえておきます。
・ 参考文献の表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。私の場合は、AMRをベースに、先生のやり方を踏襲しました。
・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。
・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。
・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。
・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。
・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。
2010年8月15日日曜日
2010年8月12日木曜日
他流試合覗いてきました
7日の土曜日は、同じゼミの同僚だったWさんから「K先生のMBAゼミに行きませんか?」とお誘いを受けて、久々に他流試合を覗いてきました。
内容は、「修論審査会仕立てで10分で論文の内容を発表する」というもの。自己紹介で「論文は3週間で書きました」などと言いましたが、本当は、4月ぐらいから問題意識、先行研究レビュー、フレームワークというように、リサーチプロポーザルを論文仕立てにして作っていました。8月はアーカイバルデータをSPSSで重回帰分析するのに、なかなかいい方法が思いつかず、四苦八苦していました。午前中にデータ以外のところを書いて、午後からSPSSと格闘していたのを思い出しました。ですから、3週間で書けるはずもなく、やはり1年間かけて山を登ったのだと思います。
さて、内容でしたが、10分きっちりで終わるのは難しいのですが、12~3分では終わっていましたし、内容もしっかりと練られていて、ほぼ完成だと感じました。昨年の修了者として意見を求められましたので、自分の修論審査会の反省を皆様にお伝えできればと思い、フレームワークの部分について意見を述べました。サーベイで論文を書かれている方は特に、変数間の関係がフレームワーク(または数式)できちんと表現されていなければならないということを申し上げました。つまり、従属変数と独立変数(と必要ならばその間に入る媒介変数やコントロール変数)の関係が書かれていないといけない点です。これを書くためには「仮説」が必要という点も指摘しました。論文では、単なる「思考の概念図」ではなく、因果律が表現されていることが重要です。「えらそうに、なにゆうてんねん」と思われたかもしれませんが、この辺がしっかりと書けていると非常に分かりやすくなると思います。
あと、「体裁」めちゃくちゃ重要です。たとえばPPTの頁の抜け、論文の題名とPPTの題名などがあっているか、ぷ見やすいフォントと背景を使っているかなどなどです。Wさんはアニメーションを多用したほうがよいなどと言いますが、私は使いません。使うときは、プリント用のPPTと発表用のPPTははっきりと分けています。アニメ入りのPPTをレポート用にすると、ごちゃごちゃになるので、静止画バージョンをつくって、それをプリント用として作るぐらいはやらないといけませんね。
それと、論文の体裁。これはもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。
・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。
・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。
・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。
・ 1,000文字なら、12ポイントぐらいの大きなフォントで(お年を召した先生への配慮)。
・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。
・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派ですが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。
・ 目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところにも気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、目次、参考文献の順番です。
・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。
・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。
・ 表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。
・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。
・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。
・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。
・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。
・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。
内容は、「修論審査会仕立てで10分で論文の内容を発表する」というもの。自己紹介で「論文は3週間で書きました」などと言いましたが、本当は、4月ぐらいから問題意識、先行研究レビュー、フレームワークというように、リサーチプロポーザルを論文仕立てにして作っていました。8月はアーカイバルデータをSPSSで重回帰分析するのに、なかなかいい方法が思いつかず、四苦八苦していました。午前中にデータ以外のところを書いて、午後からSPSSと格闘していたのを思い出しました。ですから、3週間で書けるはずもなく、やはり1年間かけて山を登ったのだと思います。
さて、内容でしたが、10分きっちりで終わるのは難しいのですが、12~3分では終わっていましたし、内容もしっかりと練られていて、ほぼ完成だと感じました。昨年の修了者として意見を求められましたので、自分の修論審査会の反省を皆様にお伝えできればと思い、フレームワークの部分について意見を述べました。サーベイで論文を書かれている方は特に、変数間の関係がフレームワーク(または数式)できちんと表現されていなければならないということを申し上げました。つまり、従属変数と独立変数(と必要ならばその間に入る媒介変数やコントロール変数)の関係が書かれていないといけない点です。これを書くためには「仮説」が必要という点も指摘しました。論文では、単なる「思考の概念図」ではなく、因果律が表現されていることが重要です。「えらそうに、なにゆうてんねん」と思われたかもしれませんが、この辺がしっかりと書けていると非常に分かりやすくなると思います。
あと、「体裁」めちゃくちゃ重要です。たとえばPPTの頁の抜け、論文の題名とPPTの題名などがあっているか、ぷ見やすいフォントと背景を使っているかなどなどです。Wさんはアニメーションを多用したほうがよいなどと言いますが、私は使いません。使うときは、プリント用のPPTと発表用のPPTははっきりと分けています。アニメ入りのPPTをレポート用にすると、ごちゃごちゃになるので、静止画バージョンをつくって、それをプリント用として作るぐらいはやらないといけませんね。
それと、論文の体裁。これはもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。
・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。
・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。
・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。
・ 1,000文字なら、12ポイントぐらいの大きなフォントで(お年を召した先生への配慮)。
・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。
・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派ですが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。
・ 目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところにも気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、目次、参考文献の順番です。
・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。
・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。
・ 表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。
・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。
・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。
・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。
・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。
・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。
2010年8月3日火曜日
BlackberryでBlogを書く
Blackberryでどこまでブログを書けるか試しています。案外書けるものです。携帯電話ではメールを書く気持ちすら起きないが、これなら書けるものです。
短い投稿は可能と思います。
短い投稿は可能と思います。
2010年8月1日日曜日
組織認識論(加護野)
パラダイムといえばクーンですが、日本で組織の研究に応用した第一人者と言えば神戸大学の加護野先生です。そこで、MBA時代に修士論文を書くのに使った本を再読です:
加護野忠男(1988)『組織認識論:企業における創造と革新の研究』千倉書房
加護野忠男(1988)『組織認識論:企業における創造と革新の研究』千倉書房
科学革命の構造(クーン) 読了しました
「コペルニクス的転回」略して「コペ転」。
高校のころに、この言葉と出会って、うまいこと言うな~、と感じ入った経験があります。この言葉自体は、カントの純粋理性批判の「認識が対象にしたがわなければならない」、つまり対象が認識を作る(経験でしか語れない)という立場から、「対象が認識にしたがわなければならない」、つまり認識が対象を見出す(理性が見いだせる)という全く逆の見方をすることで経験から解き放たれることを指しています。いまや、コペルニクス的展開という言葉を聞くことは少なくなってしまったが、「パラダイム」はいつでもどこでも誰もが「大きな枠組み」といったような意味合いで使うようになった。もっと違う形で「パラダイムシフト」を「競争のルールが変わること」という説明を加えている場合すらあるのである。ところが、クーンはこんなことは言っていない。
クーンの「パラダイム」とは、次の2つの性格を持つ業績のことである:
・ ほかの対立競争する科学研究活動を棄てて、それを支持しようとする特に熱心なグループを集めるほど、前例のないユニークさを持っていて、
・ 業績を中心として再構成された研究グループに解決すべきあらゆる種類の問題を提示している
クーンは、プトレマイオス天文学とコペルニクス天文学の誕生の過程で「パラダイム」の転換についてうまく説明している。紀元前2世紀から紀元2世紀の間に発展したプトレマイオスの体系による恒星の位置変化の予測は、現在でも実用に耐えうる。ところが、惑星ではコペルニクスと「同じぐらい」の精度を持っていたのだが、プトレマイオス体系で行った予測は当時最良の観測値とうまく合わなかった。そのため食い違いを少なくする補正をプトレマイオスの体系に加えていくが、一方を直せば他方が食い違うというようになり、天文学は恐ろしく複雑な学問となってしまう。そして、16世紀にはプトレマイオスの体系のように込み入っていて不正確なものは自然を真に(「同じぐらい」ではなく「完全に」)表していないと考えられるようになり、プトレマイオスの「パラダイム」からうまく当てはまらないということの認識から、コペルニクスはプトレマイオスのパラダイムを捨て、新しいパラダイムを求めさせる前提になったのである。ほかにはアリストテレスからニュートン、そしてアインシュタイン、ニュートリノに至る物理学、プリーストリーからラヴォアジェに至る酸素の発見まで、様々な例を用いて、パラダイムが説明される。そして、パラダイムとは、科学共同体で生み出される具体的業績の見本例であると説く。
パラダイム転換の概念は、もともと現在使われているような形で使われたのではなく、科学の発展が累積的・漸進的・連続的に起こるのではなく、質的な変化を含む非連続的なプロセスであることを現したものである。たとえば、プトレマイオス天文学が今となっては古い学問の「パラダイム」ではあっても、それはプトレマイオス天文学が科学でなかったわけではない。プトレマイオス天文学は、紀元前2世紀から累積的・漸進的・連続的に研究され、16世紀までは天文学の正統であった。しかし、うまく説明できないことが起こり、非連続的なプロセスからコペルニクス天文学が誕生している。
そして、クーン自身が、この本の主要点がほかの分野に応用できると読者が読みとったからこそ愛読されたのではないかとい点については、もともと文学、音楽、芸術、政治などの分野で起こる「革命的断絶」、つまり様式、嗜好、体制などの変化が往々にして革命的断絶で起こることから応用したと言っているのである。
やはり古典は読んでみるものである。この本は600円の古本だったが、新刊書でも同じ中身である。訳が古臭くて今一歩とは思うが、自分の知識をしっかりと整理するうえでは非常に役立つ。コペルニクス天文学のパラダイム転換の話は、商売や組織でも十分に使える強力なメタファーである。
Kuhn, T., S.(1962) The Structure of Scientific Revolutions. Chicago: The University of Chicago Press. 邦訳 トーマス・クーン(1971)『科学革命の構造』中山茂 訳、みすず書房
目次
まえがき
第1章 序論:歴史にとっての役割
第2章 通常科学への道
第3章 通常科学の性格
第4章 パズル時としての通常科学
第5章 パラダイムの優先
第6章 変則性と科学的発見の出現
第7章 危機と科学理論の出現
第8章 危機への対応
第9章 科学革命の本質と必然性
第10章 世界観の変革としての革命
第11章 革命が目立たないこと
第12章 革命の決着
第13章 革命を通しての進歩
補章 1969年
註
訳者あとがき
高校のころに、この言葉と出会って、うまいこと言うな~、と感じ入った経験があります。この言葉自体は、カントの純粋理性批判の「認識が対象にしたがわなければならない」、つまり対象が認識を作る(経験でしか語れない)という立場から、「対象が認識にしたがわなければならない」、つまり認識が対象を見出す(理性が見いだせる)という全く逆の見方をすることで経験から解き放たれることを指しています。いまや、コペルニクス的展開という言葉を聞くことは少なくなってしまったが、「パラダイム」はいつでもどこでも誰もが「大きな枠組み」といったような意味合いで使うようになった。もっと違う形で「パラダイムシフト」を「競争のルールが変わること」という説明を加えている場合すらあるのである。ところが、クーンはこんなことは言っていない。
クーンの「パラダイム」とは、次の2つの性格を持つ業績のことである:
・ ほかの対立競争する科学研究活動を棄てて、それを支持しようとする特に熱心なグループを集めるほど、前例のないユニークさを持っていて、
・ 業績を中心として再構成された研究グループに解決すべきあらゆる種類の問題を提示している
クーンは、プトレマイオス天文学とコペルニクス天文学の誕生の過程で「パラダイム」の転換についてうまく説明している。紀元前2世紀から紀元2世紀の間に発展したプトレマイオスの体系による恒星の位置変化の予測は、現在でも実用に耐えうる。ところが、惑星ではコペルニクスと「同じぐらい」の精度を持っていたのだが、プトレマイオス体系で行った予測は当時最良の観測値とうまく合わなかった。そのため食い違いを少なくする補正をプトレマイオスの体系に加えていくが、一方を直せば他方が食い違うというようになり、天文学は恐ろしく複雑な学問となってしまう。そして、16世紀にはプトレマイオスの体系のように込み入っていて不正確なものは自然を真に(「同じぐらい」ではなく「完全に」)表していないと考えられるようになり、プトレマイオスの「パラダイム」からうまく当てはまらないということの認識から、コペルニクスはプトレマイオスのパラダイムを捨て、新しいパラダイムを求めさせる前提になったのである。ほかにはアリストテレスからニュートン、そしてアインシュタイン、ニュートリノに至る物理学、プリーストリーからラヴォアジェに至る酸素の発見まで、様々な例を用いて、パラダイムが説明される。そして、パラダイムとは、科学共同体で生み出される具体的業績の見本例であると説く。
パラダイム転換の概念は、もともと現在使われているような形で使われたのではなく、科学の発展が累積的・漸進的・連続的に起こるのではなく、質的な変化を含む非連続的なプロセスであることを現したものである。たとえば、プトレマイオス天文学が今となっては古い学問の「パラダイム」ではあっても、それはプトレマイオス天文学が科学でなかったわけではない。プトレマイオス天文学は、紀元前2世紀から累積的・漸進的・連続的に研究され、16世紀までは天文学の正統であった。しかし、うまく説明できないことが起こり、非連続的なプロセスからコペルニクス天文学が誕生している。
そして、クーン自身が、この本の主要点がほかの分野に応用できると読者が読みとったからこそ愛読されたのではないかとい点については、もともと文学、音楽、芸術、政治などの分野で起こる「革命的断絶」、つまり様式、嗜好、体制などの変化が往々にして革命的断絶で起こることから応用したと言っているのである。
やはり古典は読んでみるものである。この本は600円の古本だったが、新刊書でも同じ中身である。訳が古臭くて今一歩とは思うが、自分の知識をしっかりと整理するうえでは非常に役立つ。コペルニクス天文学のパラダイム転換の話は、商売や組織でも十分に使える強力なメタファーである。
Kuhn, T., S.(1962) The Structure of Scientific Revolutions. Chicago: The University of Chicago Press. 邦訳 トーマス・クーン(1971)『科学革命の構造』中山茂 訳、みすず書房
目次
まえがき
第1章 序論:歴史にとっての役割
第2章 通常科学への道
第3章 通常科学の性格
第4章 パズル時としての通常科学
第5章 パラダイムの優先
第6章 変則性と科学的発見の出現
第7章 危機と科学理論の出現
第8章 危機への対応
第9章 科学革命の本質と必然性
第10章 世界観の変革としての革命
第11章 革命が目立たないこと
第12章 革命の決着
第13章 革命を通しての進歩
補章 1969年
註
訳者あとがき
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