2010年8月18日水曜日

論文の作法

8月12日の「他流試合」のエントリーに論文を書く際に気をつけるべき点をまとめました。
これから論文を書かれる方々の参考になるように、エントリーを独立させてさらに加筆しました。

私は研究者ではありません。一度学位論文を書いただけにすぎません。審査会には通りましたが、自分の学位論文の中味が学術的に優れているとは到底言えないでしょうし、実務上のインプリケーションがきちんとしている自信もありません。ただ、日本語、英語を問わず、論文を書く際に読んだ論文数は、MBAの学生としては相当多いと思います。読んでいるうちに気付いたのは、論文にはスタイルがあって、それを踏み外してはいけないということでした。

ですから、体裁にはこだわりました。おそらく論文を書く上でもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。

・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。

・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。副題をつけるときに「~」(全角チルデ)か「―」(全角ダッシュ)にするか、それとも「:」で十分か。先生の指示に従います。(ちなみに私は「~」でしたが、英語論文の副題は必ず「:」ですし、OPAC見ても副題は「:」で区切っています)。

・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。


・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。全体的な体裁については、『赤門マネジメントレビュー』(AMR)の投稿テンプレートが役に立ちます。ちなみに本文の指定はMS明朝11ポイント、英文はTimesNewRomanです。1000文字なら12ポイントでもいいと思います。

・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派なので、「、」で統一しましたが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。ちなみに、AMRでは「、」です。

・  目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動 でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところに も気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、 目次、参考文献の順番です。

・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。

・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。参考文献に掲載している論文や書籍のレベルで当該論文のレベルが分かるという先生までいます。その研究で必須と言われる論文は絶対に押さえておきます。

・ 参考文献の表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。私の場合は、AMRをベースに、先生のやり方を踏襲しました。

・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。

・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。

・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。

・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。

・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。

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