7日の土曜日は、同じゼミの同僚だったWさんから「K先生のMBAゼミに行きませんか?」とお誘いを受けて、久々に他流試合を覗いてきました。
内容は、「修論審査会仕立てで10分で論文の内容を発表する」というもの。自己紹介で「論文は3週間で書きました」などと言いましたが、本当は、4月ぐらいから問題意識、先行研究レビュー、フレームワークというように、リサーチプロポーザルを論文仕立てにして作っていました。8月はアーカイバルデータをSPSSで重回帰分析するのに、なかなかいい方法が思いつかず、四苦八苦していました。午前中にデータ以外のところを書いて、午後からSPSSと格闘していたのを思い出しました。ですから、3週間で書けるはずもなく、やはり1年間かけて山を登ったのだと思います。
さて、内容でしたが、10分きっちりで終わるのは難しいのですが、12~3分では終わっていましたし、内容もしっかりと練られていて、ほぼ完成だと感じました。昨年の修了者として意見を求められましたので、自分の修論審査会の反省を皆様にお伝えできればと思い、フレームワークの部分について意見を述べました。サーベイで論文を書かれている方は特に、変数間の関係がフレームワーク(または数式)できちんと表現されていなければならないということを申し上げました。つまり、従属変数と独立変数(と必要ならばその間に入る媒介変数やコントロール変数)の関係が書かれていないといけない点です。これを書くためには「仮説」が必要という点も指摘しました。論文では、単なる「思考の概念図」ではなく、因果律が表現されていることが重要です。「えらそうに、なにゆうてんねん」と思われたかもしれませんが、この辺がしっかりと書けていると非常に分かりやすくなると思います。
あと、「体裁」めちゃくちゃ重要です。たとえばPPTの頁の抜け、論文の題名とPPTの題名などがあっているか、ぷ見やすいフォントと背景を使っているかなどなどです。Wさんはアニメーションを多用したほうがよいなどと言いますが、私は使いません。使うときは、プリント用のPPTと発表用のPPTははっきりと分けています。アニメ入りのPPTをレポート用にすると、ごちゃごちゃになるので、静止画バージョンをつくって、それをプリント用として作るぐらいはやらないといけませんね。
それと、論文の体裁。これはもっとも重要です。(私を含む)内容で勝負できない人は、少なくとも体裁は完璧に整備しておきましょう。
・ 表紙、中表紙が便覧の指示通りか。
・ 題名は論文提出届と一字一句間違えてはならない。副題をつけていないのに勝手につけてもいけない。
・ ページあたりの文字数(1,000文字)は指示通りか。
・ 1,000文字なら、12ポイントぐらいの大きなフォントで(お年を召した先生への配慮)。
・ フォントは日本語はMS明朝(P明朝は絶対ダメ。ゴチックを使いたい人もいるだろうがダメです)、英語はTimesNewRoman (Centuryという人もいますが、イタリックが決まらないのでTimesのほうがいいです)。
・ 句読点は「,」と「。」にしたほうがよいと言います。先生の著書を見てその通りにします。ちなみに私は「、」派ですが・・・。一括で「置換」できますので、最後に置き換えてもよいです。
・ 目次と参考文献の書き方はもっとも重要なポイント。できれば図表目次も入れましょう。「見出し」機能を使って構造的に書いていれば、目次はワードが自動でやってくれるので問題ないが、参考文献はきちんと体裁を整える。たとえば、2行にまたがる場合の2行目をぶら下がりにするとか、そういう細かいところにも気を遣う。オフィス2007の文献リスト機能は便利なようであまり使えませんので、自分で書いたほうがきちんと仕上がります。先生が見る順番は、題名、目次、参考文献の順番です。
・ 参考文献は、英語(アルファベット順)、日本語(五十音順)で並べる。
・ 参考文献は、論文を書くために参考にした本はとりあえず全部入れる。引用文献とすればそれはできませんが・・・。
・ 表記の仕方は先生の著書を見てその方法で。もし分からない人がいれば、『赤門マネジメントレビュー』投稿マニュアル(東大)を参考にしてみてください。いずれにしろ、先生が執筆された学術書のやり方でやるのがベストです。本文中の論文引用も同様です。
・ 誤字・脱字、「てにをは」は細かく見ましょう。締め切り1日前はこれに費やしましょう。
・ 図表やページを論文内で参照している場合は、その番号が正しいか必ず確認します。たび重なる校正でばらばらになっていることが多くて焦ります。
・ 提出部数よりも1部多く「作る」。黒表紙がもったいないが、あせらないための方法。もっとも、提出する体裁にした論文は自分の記念になります。
・ 提出前には必ずページの落丁・乱丁をチェックし、必要なら差し替える(そのために1~2部多いのが役立つ)。
・ 締め切りは必ず守る。遅れると受理してくれません。
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