2010年3月7日日曜日

科学的管理法 読了

そんなに分厚い本ではないのですぐに読んでしまいました。
訳者が経営書翻訳で定評のある有賀裕子で、ほかの訳本よりも読みやすいので、誰にでもお勧めできると思います。そんなに分厚い本ではないので、英語で読むとより分かりやすいです。

1911年の本なので、当然のことながら、のちの組織行動や経済学(とくに取引費用)に関する知見はこの本には含まれていませんが、1世紀前の「Principles」がそのまま今の社会でも通用するところは、人間がやっていることなんて変わらないということです。私は、この中ではショベルの話が一番好きです。工員は一人ひとり自分のショベルを渡されていて、それぞれ違う鉱石を運んでいる。しかし名人はひとすくい21ポンドですくう時に一番効率がいいことを発見します。そこで、鉱石によって違うショベルを用意して、21ポンドすくえるようにしたら効率が上がるというように改めた、という話です。まさに発想の転換。

いまでも使える知恵が含まれていて、古臭いといわずにご一読をお勧めします。この本から経営学は始まったわけですから。


Taylor, F. W. (1911). The Principles of Scientific Management.  邦訳 フレデリック・W・テイラー(2009)『新訳 科学的管理法:マネジメントの原点』有賀裕子訳. ダイヤモンド社.
目次
序章 本書の狙い
第1章 科学的管理法とは何か
第2章 科学的管理法の原則
1 「科学的管理法」以前における最善の方法
2 科学的管理法のエッセンス
3 銑鉄の運搬作業における取り組み
4 私の職歴―マネジメント改革に傾注した背景
5 シャベルすくい作業の研究
6 レンガ積みにおける検証
7 ベアリング用ボールの検品に対する考察
8 高度な金属切削業務における探究
9 科学的管理法の実践

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