このところ、面接地獄でブログを更新できていませんでした。
なんとか読みましたが、もう一度精読が必要でしょう。手ごわい本でした。
結局、重要なのは、高い勤労意欲は高い生産能力の十分条件ではないし、高い勤労意欲が低い勤労意欲よりも高い生産性を導くとはいえない。よって、勤労意欲と満足という単純な理論では説明できないのである。
・ 満足度が低ければ低いほど代替的プログラムの探索はより多くなる、
・ 探索が多ければ多いほど報酬の期待値はより高くなる
・ 報酬の期待値が高くなればなるほど満足度はより高くなる
・ 報酬の期待値が高くなればなるほど希求水準はより高くなる
・ 希求水準が高くなればなるほど満足度は低くなる
そして、とりうる行動のオプションとして、組織を離れる(満足度が低い)か、組織にとどまって生産するか、組織にとどまるが生産しない(ほかの満足を得る機会がある)のいずれかを選択することができる。
次に、組織に参加する意思決定として:
・ 組織は、組織の参加者と呼ばれる多くの人々の相互に関連した社会的行動の体系
・ 組織から誘因を受け、その見返りとして組織に対して貢献を行う。
・ 提供される誘因が要求されている貢献と等しいかあるいはヨリ大である場合にだけ参加
・ さまざまな集団によって供与される貢献が誘因の源泉
・ 貢献が十分にあって、貢献を引き出すために十分な誘因を供与している限りにおいて組織は存在し続ける。
そして、合理性については:
「人間の知的能力には、個人と組織とが直面する問題の複雑性と比較して限界があるために、合理的行動のために必要となることは、問題の複雑性のすべてをと らえることではなくて、問題の主要な局面のみをとらえた単純化されたモデルをもつことであるとして、この単純化は:
・ 極大化ではなくて、満足化
・ 行為の代替的選択肢と行為の結果は、探索の過程を通じて逐次的に発見される、
・ 組織および個人は、行為のプログラムのレパートリーを形成し、反復的な状況での選択に、これらを代替的選択肢として役立てる、
・ 特定の行為のプログラムのそれぞれが、限定された範囲内の状況と限定された範囲内の結果とに対応している、
・ 行為のプログラムのそれぞれは、他のプログラムとは半独立的に実施されうる、という特徴を持つ
と、まあ難しい本でした。もう少し本気で読んで行きたいと思います。
March, J. G. & Simon, H. A. (1958) Organizations. Hoboken, NJ: John Wiley & Sons. 邦訳 J・G・マーチ、H・A・サイモン(1977)『オーガニゼーションズ』土屋守章訳、ダイヤモンド社.
目次
訳者まえがき
謝辞
第1章 組織内行動
第2章 「古典的」組織理論
第3章 動機的制約―組織内の意思決定
第4章 動機的制約―参加の意思決定
第5章 組織におけるコンフリクト
第6章 合理性に対する認知限界
第7章 組織におけるプランニングと革新
あとがき
参考文献
索引
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