仕事が忙しく、細切れで読んでいましたが、やっと読了しました。
意思決定にあたって、全代替的選択肢から一つを選びだす基準としての価値体系を持ち、可能な代替的選択肢を網羅し、各選択肢から生じる結果のすべてを知ることができなければならないが、人間はこういったことを不完全な形でしか実行できない。だから、人間は「限定された合理性(bounded rationality)」を達成できるだけである。しかし、個人の合理性には限界があっても、組織によって克服できるという立場である。目的のハイアラーキー(最近英語ともドイツ語ともつかないヒエラルキーなるカタカナ言葉が横行しているが、正しくはハイアラーキーかヒエラルヒーでしょ?)をどのように構成するかが経営の課題であるということ。そして、目標設定に関しては参加者全員がかかわり、目的実行のために協働が必要である。
まあ、単純に言ってしまうとコミュニケーションに関する本と言ってしまってもよいのだとは思いますが、もっと奥の深い本です。
Simon, H. A. (1997) Administrative Behavior: a Study of Decision-Making Process in Administrative Organizations (4th ed.). New York: Free Press. 邦訳 ハーバート・A・サイモン(2009)『経営行動:経営組織における意思決定過程の研究』二村敏子、桑田耕太郎、高尾義明、西尾暢子、高柳美香訳、ダイヤモンド社.
目次
訳者まえがき
第四版への序文
初版への序文
謝辞
第1章 意思決定と経営組織
第2章 経営理論の若干の問題点
第3章 意思決定における事実と価値
第4章 経営行動における合理性
第5章 経営決定の心理学
第6章 組織の均衡
第7章 権限の役割
第8章 コミュニケーション
第9章 能率の基準
第10章 忠誠心と組織への一体化
第11章 組織の解剖学
付録 経営の科学とは何か
索引
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