白川静といえば、古代漢字の学者で、「孔子伝」の作家という印象しかなく、「道」の字の起源の話は知っていたのですが、この平凡社編(2010)『白川静読本』平凡社を読んで、知の巨人だったとの印象を深くしました。
内田樹は、「世界と人間の成り立ちについて本質的なことをいくつか教えていただいた」という。梅原猛をして、「強靭な思弁によって独創的な新しい学問を打ち立てた」と言わしめる。吉本隆明が「この大碩学について言うべき言葉を持たない」と評する。そして、保坂和志は「白川静もハイデガーも(中略)人間は自然やほかの動物を征圧することで人間となったということを言っている」から「感動した」のである。これだけのことを言葉は違えど、47名が思い思いに伝えようとしていることが白川静のすごさを物語っているのだと思う。
いままで、経営学を勉強するに当たり、ソクラテス・プラトン、アリストテレスに始まり、ウェーバーやマートン、そしてソシュールやレヴィストロース、フーコーまで、「考え方」といえば、西洋哲学であった(この辺りについては、野中郁次郎(2003)『知識創造の方法論:ナレッジワーカーの作法』東洋経済新報社に詳しい)。神戸大の学力総合試験や博士後期入学試験の経営管理や定性的方法論についても、ほとんどがそうである。しかし一方で、東洋には漢字文化の膨大な蓄積がある。そこに改めて目を向けさせてくれそうなのが白川静であろう。
マイブームになりそうな気がしてちょっと怖い。
平凡社編(2010)『白川静読本』平凡社
目次
巻頭対談 呪能と歌の心―白川静の魅力
第1章 白川静という人
第2章 白川学の広がり
第3章 著作をどう読むか
主要著作一覧
白川静略年譜
おもにMBAプログラムや論文執筆の過程で読んできた経営学と経済学の書籍、それと経営学を理解するために必須の哲学や社会学についての書籍を読み直しています。その時に読めなくて積読になっていた本も読み進めます。MBAを修了したものの、継続的に学ぶためには、何らかの強制力が必要です。そこで、硬軟織り交ぜてご紹介できればと思います。
2010年6月6日日曜日
久々に古本屋へ!
週末、久々に古本屋に行きました。嫁はんとけんかしたので、ちょっと頭冷やしです。
この前、神保町ですこし悔しい思いをしたので、古本屋に行くことにしました。
北大阪在住ですので、まずは、石橋の太田書店。ここは理数系の本が多く、経営系はあまりありません。まあ、ちらっとのぞいたようなものです。ここでは何も買わず。
次に梅田のかっぱ横丁にある阪急古書の街。ここには京都の梁山泊や心斎橋の中尾書店の出店があり、平日夜8時までやっているのでちょくちょく見に来ます。石橋の太田書店の出店もあります。中を見て結局買わずに、阪神百貨店地下の対面まで歩いて萬字屋書店へ。ここにはハイエク『自由の条件(ハイエク全集)』春秋社があったので買おうかと思いましたがちょっと高かったのでやめ。
これから、大江橋か船場センタービルの天牛堺書店まで足を伸ばすか、どうしようか考えていましたが、ふと、関大前に行ってみることにしました。
関大前で降りると、まず、駅前のBOOK OFF 関大前へ。大学の近所ということで、品ぞろえはなかなか。ここでは2冊買いました。占部都美(1997)『経営学入門 改訂増補版』中央経済社と金井壽宏(1993)『ニューウェーブマネジメント:思索する経営』創元社。ニューウェーブは初版帯つき程度まあまあで105円でした。経営学入門は、美本でしたから1,600円しましたが、よさそうでしたから買いました。
次に、関大前通りにある「若草」で食事をしようとしたらシャッターが下りている。通りがかりの学生らしき若者に聞くと、つぶれたらしい。1年ほど前に修論の資料が関大にしかなく、その資料をコピーに来たときに「サービス」の「一口かつ」を食べたのが最後になりました。残念でなりません!
そしてその若草から30メートルぐらい行ったところに小さい古本屋が。ここには教科書のオンパレード。マンキューの経済学が山のように置いてあります。
ここでもあまり食指が動かず、文砦へ。ちょっと分かりにくい場所にあります。ここは法律書が豊富で、社会科学もそれなりにおいてあります。労働法関係を少し見ましたが、法律関係は新しくないとあまり意味がないと思いなおして、なにも買わず。 遅い昼飯を松屋の牛飯250円味噌汁つきで取ったのち、さて、ここからどこに行くか。
最近健康のために歩いていますから、関大前から緑地公園まで歩いて、天牛書店 に行くことにしました。千里山の住宅街を1時間強歩きます。天牛といえば、私が学生のころは、御堂筋から周防町を西に入って、少し行ったところの左側にありました。アメリカ村のど真ん中にあったのですが、江坂(というか千里山というか、緑地公園というか)に移ってすでに相当の日々が経っています。しかし、おそらく大阪近辺では一番大型古書店ではないでしょうか。十数年ぶりにやってきました。
購入したのは4冊。Singh, S. (1997) Fermat's Last Theorem: New York, Fourth Estate. (青木薫訳『フェルマーの最終定理:ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』新潮社、石井淳蔵(1993)『マーケティングの神話』日本経済新聞社、新田次郎(1974)『アラスカ物語』新潮社の初版帯つき、新田次郎(1977)『剱岳・点の記』文藝春秋の単行本初版 の4冊です。新田次郎の初版本は両方とも100円。状態はそれ相応なので100円なのですが、それでも安いので買ってしまいました。マーケティングの神話は、院生時代に図書館で借りて読んだのですが、マーケティングをやっていたわけではないので買っていませんでしたが、安く古本が出ていたので買ってしまいました。
そしてなぜフェルマーを買ったかというと、最終面接したある理系の学生が、最近読んだ本にこれを出してきたからです。「おぉぉぉ、久々に骨のある奴が!」と思って、「フェルマーの最終定理ってなに?」とお尋ねしました(私は知っている)。「ちょっと数式が難しいので・・・・」というので、「それならピタゴラスの定理は説明できますか?」といったら「ん、ピタゴラスですか・・・.。それも難しい数式ですけど・・・・・」という具合でピンとこない。5秒沈黙ののち、「ピタゴラス数は中学3年レベルやで。X^2 + Y^2 = Z^2 になる自然数のことで、たとえば、X=3, Y=4, Z=5というように、無限数ある。これは中学校の数学問題や。証明方法も何通りか教わる。しかし、自然数nが3以上 のとき、X^n + Y^n = Z^n を満たす自然数X, Y, Zの組み合わせが存在しないことがフェルマーの最終定理や」と言ってみたが・・・・。おそらく、国立大学理学部でもピタゴラスの定理を忘れているのでしょう。バリバリ文系の私でも覚えているのに・・・・・。中学校の先生が「ピタゴラスの定理はだれでもできる。しかし2乗を3乗にするだけでそんな組み合わせがないことがいまでも証明できない。これをフェルマーの最終定理と言います」と教えてくださったので、今でも覚えています。偶然にも天牛で見かけたので、衝動買いしてしまいました(笑)。
この前、神保町ですこし悔しい思いをしたので、古本屋に行くことにしました。
北大阪在住ですので、まずは、石橋の太田書店。ここは理数系の本が多く、経営系はあまりありません。まあ、ちらっとのぞいたようなものです。ここでは何も買わず。
次に梅田のかっぱ横丁にある阪急古書の街。ここには京都の梁山泊や心斎橋の中尾書店の出店があり、平日夜8時までやっているのでちょくちょく見に来ます。石橋の太田書店の出店もあります。中を見て結局買わずに、阪神百貨店地下の対面まで歩いて萬字屋書店へ。ここにはハイエク『自由の条件(ハイエク全集)』春秋社があったので買おうかと思いましたがちょっと高かったのでやめ。
これから、大江橋か船場センタービルの天牛堺書店まで足を伸ばすか、どうしようか考えていましたが、ふと、関大前に行ってみることにしました。
関大前で降りると、まず、駅前のBOOK OFF 関大前へ。大学の近所ということで、品ぞろえはなかなか。ここでは2冊買いました。占部都美(1997)『経営学入門 改訂増補版』中央経済社と金井壽宏(1993)『ニューウェーブマネジメント:思索する経営』創元社。ニューウェーブは初版帯つき程度まあまあで105円でした。経営学入門は、美本でしたから1,600円しましたが、よさそうでしたから買いました。
次に、関大前通りにある「若草」で食事をしようとしたらシャッターが下りている。通りがかりの学生らしき若者に聞くと、つぶれたらしい。1年ほど前に修論の資料が関大にしかなく、その資料をコピーに来たときに「サービス」の「一口かつ」を食べたのが最後になりました。残念でなりません!
そしてその若草から30メートルぐらい行ったところに小さい古本屋が。ここには教科書のオンパレード。マンキューの経済学が山のように置いてあります。
ここでもあまり食指が動かず、文砦へ。ちょっと分かりにくい場所にあります。ここは法律書が豊富で、社会科学もそれなりにおいてあります。労働法関係を少し見ましたが、法律関係は新しくないとあまり意味がないと思いなおして、なにも買わず。 遅い昼飯を松屋の牛飯250円味噌汁つきで取ったのち、さて、ここからどこに行くか。
最近健康のために歩いていますから、関大前から緑地公園まで歩いて、天牛書店 に行くことにしました。千里山の住宅街を1時間強歩きます。天牛といえば、私が学生のころは、御堂筋から周防町を西に入って、少し行ったところの左側にありました。アメリカ村のど真ん中にあったのですが、江坂(というか千里山というか、緑地公園というか)に移ってすでに相当の日々が経っています。しかし、おそらく大阪近辺では一番大型古書店ではないでしょうか。十数年ぶりにやってきました。
購入したのは4冊。Singh, S. (1997) Fermat's Last Theorem: New York, Fourth Estate. (青木薫訳『フェルマーの最終定理:ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで』新潮社、石井淳蔵(1993)『マーケティングの神話』日本経済新聞社、新田次郎(1974)『アラスカ物語』新潮社の初版帯つき、新田次郎(1977)『剱岳・点の記』文藝春秋の単行本初版 の4冊です。新田次郎の初版本は両方とも100円。状態はそれ相応なので100円なのですが、それでも安いので買ってしまいました。マーケティングの神話は、院生時代に図書館で借りて読んだのですが、マーケティングをやっていたわけではないので買っていませんでしたが、安く古本が出ていたので買ってしまいました。
そしてなぜフェルマーを買ったかというと、最終面接したある理系の学生が、最近読んだ本にこれを出してきたからです。「おぉぉぉ、久々に骨のある奴が!」と思って、「フェルマーの最終定理ってなに?」とお尋ねしました(私は知っている)。「ちょっと数式が難しいので・・・・」というので、「それならピタゴラスの定理は説明できますか?」といったら「ん、ピタゴラスですか・・・.。それも難しい数式ですけど・・・・・」という具合でピンとこない。5秒沈黙ののち、「ピタゴラス数は中学3年レベルやで。X^2 + Y^2 = Z^2 になる自然数のことで、たとえば、X=3, Y=4, Z=5というように、無限数ある。これは中学校の数学問題や。証明方法も何通りか教わる。しかし、自然数nが3以上 のとき、X^n + Y^n = Z^n を満たす自然数X, Y, Zの組み合わせが存在しないことがフェルマーの最終定理や」と言ってみたが・・・・。おそらく、国立大学理学部でもピタゴラスの定理を忘れているのでしょう。バリバリ文系の私でも覚えているのに・・・・・。中学校の先生が「ピタゴラスの定理はだれでもできる。しかし2乗を3乗にするだけでそんな組み合わせがないことがいまでも証明できない。これをフェルマーの最終定理と言います」と教えてくださったので、今でも覚えています。偶然にも天牛で見かけたので、衝動買いしてしまいました(笑)。
2010年6月5日土曜日
白川静読本(平凡社編)
次は、平凡社編(2010)『白川静読本』平凡社を読みます。漢字学の大家にして生涯現役。これも買って積んであった本です。伊丹先生の本を読んだので、次は野中先生かな、なんて思っていましたが、積んである本をみると「読むで~」という感じになってきました。
経営戦略の論理(伊丹) 読み終わりました
いろんな本が途中に入ってきて一時停滞しておりましたが伊丹敬之(2003)『経営戦略の論理 第3版』日本経済新聞社、読了いたしました。
この本を評して「後付け」「後講釈」という人もいるのですが、そういう批判を超えて生き残っていくよさがある本です。個人的には、序章、第7章~第9章、終章の中でも、とくに序章が重要なパートと感じます。戦略とは何か、なぜ論理が重要か、そして適合とは何か。普段簡単に話されている言葉をしっかりととらえることから始まっている。その後は、いろいろなケースが出てくる。第7章まででは、松下とアイワの比較が今の世の中を表しているように思う。半値にして機能も充実させる松下。機能を削って価格勝負に出たアイワ。いまの世の中、アイワ的な価格競争が繰り広げられているからうまくいかないのではないか。
ポジショニングスクールの議論にも言及しつつ、伊丹先生の本領であるリソース・ベースト・ビュー もしっかりと論じられている。「見えざる資産」、つまり情報。これの流れのフレームワークをしっかりと理解させてくれる良書です。様々なケースを比較して使って分かりやすくしているところを、後講釈というのでしょうが、一般的な読者には理解できない一般化・抽象化された理論を、数多くのケースを通じて分かりやすく説明しているととらえたほうがよいと思う。だから、終章で、現実から戦略の発想を出発させない、とはっきりとおっしゃっているのである。
これを読んで、営業のマネジャーとして悪戦苦闘していたころを思い出してしまいました。 その話は、また別の機会に。
伊丹敬之(2003)『経営戦略の論理 第3版』日本経済新聞社
目次
序章 経営戦略とはなにか
1 戦略の市場適合
第1章 顧客のニーズをとらえる―戦略の顧客適合(1)
第2章 ニーズの多様性と相互作用を利用する―戦略の顧客適合(2)
第3章 競争優位を作る―戦略の競争適合(1)
第4章 反撃を見越す、敵にしない―戦略の競争適合(2)
2 戦略のインターフェース適合
第5章 ビジネスシステムで差別化する―戦略のビジネスシステム適合
第6章 技術を活かし、技術が動かす―戦略の技術適合
3 戦略の内部適合
第7章 見えざる資産―情報の流れのフレームワーク
第8章 資産を蓄積し、利用する―戦略の資源適合
第9章 組織を動かし、刺激する―戦略の組織適合
終章 戦略の論理と発想
参考文献
この本を評して「後付け」「後講釈」という人もいるのですが、そういう批判を超えて生き残っていくよさがある本です。個人的には、序章、第7章~第9章、終章の中でも、とくに序章が重要なパートと感じます。戦略とは何か、なぜ論理が重要か、そして適合とは何か。普段簡単に話されている言葉をしっかりととらえることから始まっている。その後は、いろいろなケースが出てくる。第7章まででは、松下とアイワの比較が今の世の中を表しているように思う。半値にして機能も充実させる松下。機能を削って価格勝負に出たアイワ。いまの世の中、アイワ的な価格競争が繰り広げられているからうまくいかないのではないか。
ポジショニングスクールの議論にも言及しつつ、伊丹先生の本領であるリソース・ベースト・ビュー もしっかりと論じられている。「見えざる資産」、つまり情報。これの流れのフレームワークをしっかりと理解させてくれる良書です。様々なケースを比較して使って分かりやすくしているところを、後講釈というのでしょうが、一般的な読者には理解できない一般化・抽象化された理論を、数多くのケースを通じて分かりやすく説明しているととらえたほうがよいと思う。だから、終章で、現実から戦略の発想を出発させない、とはっきりとおっしゃっているのである。
これを読んで、営業のマネジャーとして悪戦苦闘していたころを思い出してしまいました。 その話は、また別の機会に。
伊丹敬之(2003)『経営戦略の論理 第3版』日本経済新聞社
目次
序章 経営戦略とはなにか
1 戦略の市場適合
第1章 顧客のニーズをとらえる―戦略の顧客適合(1)
第2章 ニーズの多様性と相互作用を利用する―戦略の顧客適合(2)
第3章 競争優位を作る―戦略の競争適合(1)
第4章 反撃を見越す、敵にしない―戦略の競争適合(2)
2 戦略のインターフェース適合
第5章 ビジネスシステムで差別化する―戦略のビジネスシステム適合
第6章 技術を活かし、技術が動かす―戦略の技術適合
3 戦略の内部適合
第7章 見えざる資産―情報の流れのフレームワーク
第8章 資産を蓄積し、利用する―戦略の資源適合
第9章 組織を動かし、刺激する―戦略の組織適合
終章 戦略の論理と発想
参考文献
2010年6月4日金曜日
これからの経営学(日本経済新聞社編)
出る出ると神戸大学の小川先生からは予告されていましたが、満を持して登場です。
日本経済新聞社編(2010)『これからの経営学』日本経済新聞出版社
2008年9月から約半年間連載された「経営学のフロンティア」をベースに編まれた本です。
まず、日本を代表する経営学者17名!これだけの豪華執筆陣をよく集めたものです。いま、一番力があって素晴らしい研究成果を出されていて、国際的にも認知度の高い先生方が執筆されています。
次に、中身の濃さ!戦略論、人的資源管理、組織行動、ものづくり、マーケティング、ビジネスシステム、グローバル経営、ファイナンス、成長戦略と盛りだくさんの内容。しかも、最先端の研究成果が惜しみなくつぎ込まれています。
そして、分かりやすさ!これが本当に分かりやすくておもしろい。平易な言葉で実例を交えて書かれているので、あまりこういう本を読まないビジネスマンでもすぐに読めてしまうと思います。
新聞連載でしたから、一般の読者を想定して文体は分かりやすく、また限られた連載スペースの中に先生方のご研究を濃縮したエッセンスをそこに展開されたわけで、勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館に掲載されているビジネス書とは対極をなす良書です。ぜひ手にとって「現代日本の経営学のフロンティア」を体感してもらいたいと思います。
研修とかやると、「そんな学者の言うようなことは、実際には役に立たない」とか、「机上の空論ばっかり話すな」とか、はたまた「学校で勉強してるんとちゃうぞ」、挙句の果てには「そんなん本に書いたぁることゆうてるだけやん」(なんで関西弁やねん!)とか、要するに理論なんか意味がないという話が出ます。私も、かつてそう思っていた一人でした。
しかし、一流を自任される実務家の方なら、この本を読めば、一流の学者の説明能力の高さに驚くと思います。私は、神戸MBAで執筆陣の4名の先生から直接教えを受ける僥倖に浴しました。先生方の研究の深さ、それを実務といかにつなぎながら説明をされていく能力の高さ。そして一幕の劇にも似た面白さ。この本を読むと、多くの方々がその経験を共有できるのではないかと思います。
ただ、読みやすいがゆえに、内容をきちんと把握せずに「分かった気になる」本かもしれません。ですから、何度も読み返すのもいいと思います。
これだけの内容で749円は安すぎます。
日本経済新聞社編(2010)『これからの経営学』日本経済新聞出版社
目次
まえがき
第1日目テーマ 「組織と戦略をとらえなおす」
第2日目テーマ 「変革型人材育成」
第3日目テーマ 「ものづくりと経営」
第4日目テーマ 「経営戦略を具体化する」
第5日目テーマ 「外部連携の戦略」
第6日目テーマ 「未来への成長戦略」
各講師のおすすめ図書ガイド
日本経済新聞社編(2010)『これからの経営学』日本経済新聞出版社
2008年9月から約半年間連載された「経営学のフロンティア」をベースに編まれた本です。
まず、日本を代表する経営学者17名!これだけの豪華執筆陣をよく集めたものです。いま、一番力があって素晴らしい研究成果を出されていて、国際的にも認知度の高い先生方が執筆されています。
次に、中身の濃さ!戦略論、人的資源管理、組織行動、ものづくり、マーケティング、ビジネスシステム、グローバル経営、ファイナンス、成長戦略と盛りだくさんの内容。しかも、最先端の研究成果が惜しみなくつぎ込まれています。
そして、分かりやすさ!これが本当に分かりやすくておもしろい。平易な言葉で実例を交えて書かれているので、あまりこういう本を読まないビジネスマンでもすぐに読めてしまうと思います。
新聞連載でしたから、一般の読者を想定して文体は分かりやすく、また限られた連載スペースの中に先生方のご研究を濃縮したエッセンスをそこに展開されたわけで、勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館に掲載されているビジネス書とは対極をなす良書です。ぜひ手にとって「現代日本の経営学のフロンティア」を体感してもらいたいと思います。
研修とかやると、「そんな学者の言うようなことは、実際には役に立たない」とか、「机上の空論ばっかり話すな」とか、はたまた「学校で勉強してるんとちゃうぞ」、挙句の果てには「そんなん本に書いたぁることゆうてるだけやん」(なんで関西弁やねん!)とか、要するに理論なんか意味がないという話が出ます。私も、かつてそう思っていた一人でした。
しかし、一流を自任される実務家の方なら、この本を読めば、一流の学者の説明能力の高さに驚くと思います。私は、神戸MBAで執筆陣の4名の先生から直接教えを受ける僥倖に浴しました。先生方の研究の深さ、それを実務といかにつなぎながら説明をされていく能力の高さ。そして一幕の劇にも似た面白さ。この本を読むと、多くの方々がその経験を共有できるのではないかと思います。
ただ、読みやすいがゆえに、内容をきちんと把握せずに「分かった気になる」本かもしれません。ですから、何度も読み返すのもいいと思います。
これだけの内容で749円は安すぎます。
日本経済新聞社編(2010)『これからの経営学』日本経済新聞出版社
目次
まえがき
第1日目テーマ 「組織と戦略をとらえなおす」
第2日目テーマ 「変革型人材育成」
第3日目テーマ 「ものづくりと経営」
第4日目テーマ 「経営戦略を具体化する」
第5日目テーマ 「外部連携の戦略」
第6日目テーマ 「未来への成長戦略」
各講師のおすすめ図書ガイド
2010年6月1日火曜日
東京に来て思うこと
大阪で生まれて大阪で育った身としては、東京で住むことはないと思っていますが、東京でうらやましいのは本屋の充実度。特に古本屋の充実度です。新刊の本屋では、オアゾの丸善、八重洲ブックセンターでもよいのですが、私は神保町の三省堂が好きです。品揃えはぴか一ですね。それよりも、古本屋の多さが断然違う。
今日、仕事が速く終わったので神保町に行きましたが、6時半過ぎになってしまって、結局数軒しか回れず。その後、三省堂で新刊を見て回って、キッチン南海で夕ご飯にしようと思ったが、売り切れで終わり。ショックでした。
今日、仕事が速く終わったので神保町に行きましたが、6時半過ぎになってしまって、結局数軒しか回れず。その後、三省堂で新刊を見て回って、キッチン南海で夕ご飯にしようと思ったが、売り切れで終わり。ショックでした。
ビジネス書大バカ辞典(勢古)
昨日、大阪空港で時間つぶしに立ち読みしていて見つけたのが、勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館です。自分自身はハウツービジネス書を全く読みません。その人が成功した環境、能力また経路も違うのに、「これをやれば成功する」なんて、信じて読むほうがおかしいわけですが、そんな本があふれています。そういう本を痛快にメッタ斬りする本です。言葉遣いが下品ですが、そういう本を書く自称コンサル君の思考の浅さ。この本の中に登場する数名を崇拝して読んでいる部下がいます。「こんなの知ってましたぁ」なんていわれても「知らん」としかいえないわけで、「そんなんより新書でも読んだほうがええんちゃう?」といつも言っています。
今日、監査役に「seataku、なんか最近読んだ本あるか?」と言われたので、お渡ししました。この監査役は博学で、ウェーバーの「プロ倫」の話やフッサールで大盛り上がりしました。ですからこんなしょうもない本を渡してもいいかな、って思いましたが、「こんな本(ハウツービジネス書のこと)読む人もいるよね。意味ないのに。これ借りておきますね」とのことでした。こちらからは、あとメールで、数冊ご紹介しました。楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』東洋経済新報社と、Sandel, M (2009) Justice: What's the Right Thing to Do? Farrar, Strause & Giroux. 邦訳 マイケル・サンデル(2010)『これからの正義の話をしよう:今を生き延びるための哲学』鬼澤忍訳、早川書房は当然ご紹介です。
勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館
目次
第1章 なんでビジネス書を読むの?
第2章 恐るべき三人のつわもの
第3章 三冊の元祖本と成功法則
第4章 本を読んで金が儲かるってホント?
第5章 不当表示?誇大広告?めくるめく書籍タイトルの世界
第6章 胡散くさい二人の導師
第7章 その場しのぎの一姫二太郎
第8章 「成功」することと人生
第9章 読むなら、経営者の自伝
第10章 仕事とは全人的作業である
付録 あのベストセラービジネス書を採点する
今日、監査役に「seataku、なんか最近読んだ本あるか?」と言われたので、お渡ししました。この監査役は博学で、ウェーバーの「プロ倫」の話やフッサールで大盛り上がりしました。ですからこんなしょうもない本を渡してもいいかな、って思いましたが、「こんな本(ハウツービジネス書のこと)読む人もいるよね。意味ないのに。これ借りておきますね」とのことでした。こちらからは、あとメールで、数冊ご紹介しました。楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』東洋経済新報社と、Sandel, M (2009) Justice: What's the Right Thing to Do? Farrar, Strause & Giroux. 邦訳 マイケル・サンデル(2010)『これからの正義の話をしよう:今を生き延びるための哲学』鬼澤忍訳、早川書房は当然ご紹介です。
勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館
目次
第1章 なんでビジネス書を読むの?
第2章 恐るべき三人のつわもの
第3章 三冊の元祖本と成功法則
第4章 本を読んで金が儲かるってホント?
第5章 不当表示?誇大広告?めくるめく書籍タイトルの世界
第6章 胡散くさい二人の導師
第7章 その場しのぎの一姫二太郎
第8章 「成功」することと人生
第9章 読むなら、経営者の自伝
第10章 仕事とは全人的作業である
付録 あのベストセラービジネス書を採点する
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