2010年7月25日日曜日

科学革命の構造(クーン)

見事な夏風邪を引いてしまいました。

先週の火曜日ぐらいから咳が出て痰が絡むので、風邪かな、と思っていたら、木曜日ぐらいから頭が痛い。鼻水も出てくるし、これは完全に夏風邪です。仕事にはちゃんと行っていますが、なかなかきつい。本を読む気力はあまりありません・・・。

とはいえ、夏らしく、重くて暑い一冊を読みます。天牛堺書店の600円均一で見つけたKuhn, T., S.(1962) The Structure of Scientific Revolutions. Chicago: The University of Chicago Press. 邦訳 トーマス・クーン(1971)『科学革命の構造』中山茂 訳、みすず書房です。これも実は原著(英語版)が1084円とかなりお安いので、英語で読める人は英語がお勧めです。「パラダイム」の概念を確立した1冊といえばお分かり頂けると思います。

2010年7月24日土曜日

Blackberry

長らく会社に懇願していたBlackberryがやっと会社から支給された。といっても、最新型のBold 9700ではなく、Bold 9000の在庫。ニューモデルを期待していたが、流石うちの会社、在庫で間に合わせてきた。それでも長らく申請していて、やっとOKになったのでうれしい。

海外や営業で必要な人たち(主に海外取引が多い部署)には、数年前からBlackberryが支給されていましたが、私は管理部門にいることから、なかなか許可が下りなかった。会社はLotus Notesなので、会社以外でメールを見る方法は、PCからだとDominoか、携帯でも見ることは可能だった。長らく携帯のシステムでメールを朝に見ながら返事を考えて通勤して、朝に全部処理していたが、この前携帯電話の管理をしている総務から「seatakuさんは携帯のパケット使い過ぎなんですが、なにか変なことをしていませんか?」という不快極まりない問い合わせを受けました。パケホーダイではないらしく、パケットの使用状況に応じてプランをこまめに変更するらしい。携帯でパケットを使うのは、メール閲覧、新幹線予約(EX)、飛行機国内線予約(JAL, ANA)ぐらいで、Twitterは原則としてケータイからはしないし、Blogの更新もケータイは関係ない。ケータイでプライベートの電話すらほとんどしない(プライベートは公衆電話からする)ぐらいにケータイを使わないように努力しているのに、会社からそんなことを言われて頭にきたので、システム担当に「総務からパケット使いすぎと言われた。Blackberryならどのぐらいかかるの?」と尋ねると、初期費用以外では総務のパケット代よりも相当に安い。「総務から使い過ぎと言われているので、支給してくれ」と談判して、支給の運びとなりました。確かにメールが人よりも多いので、申請して許可が出たのだと思いますが・・・・。

Blackberryですが、もう手放せません!
iPhoneは、確かにプライベート用にはよいと思いますが、仕事で使うならBlackberryでしょう。会社のメーラーがLotus Notesで、Blackberryにほとんどリアルタイムでメールが同期され、バイブレーションで知らせてくれます。また、同期しないフォルダーを作っておけば、Blackberryには流れてこないので、会社の伝票の確認メールなどは同期しないように設定していることで、必要なメールだけが同期される。しかも、カレンダー(予定表)やタスク(To doリスト)も同様にリアルで同期されるので、スケジュール帳が必要なくなった。こんなに便利だとは思いもしませんでした。

QWERTYキーを装備していて、キーのクリック感がよいので、小さいキーでも楽に打てる。iPhoneも試しましたが、キーでない分打ちにくかったので、この点でも気に入っています。友人のiPhoneのブラウザでDominoを表示してメールを試したが、非常に使いにくいし、そもそも入ったメールを知らせてはくれない。その点ではBlackberryは満点です。キーがよいので、Twitterも打ちやすくなっています。しかも、WiFiを実装しているので、家ではもっぱら普通にWiFi、そとでもYahooとDocomoのLANサービスに個人的に加入しているので、パケット代も会社にブウブウ言われることもないと思うと、うれしい気分です。

ITの進歩で仕事がどこでもできるのはありがたいが、逆にどこでも仕事をさせられているので困るような気にもなります。会社の支給品ですが、できるだけたくさんの機能を使い尽くしたいと思います。

2010年7月17日土曜日

ビジネス・エコノミクス(伊藤) 読了しました

105円の本としては最高、1890円でも上出来です。

ビジネスエコノミクスの基本的な書籍としては、幅広い読者がミクロ経済学の基礎を学ぶのに最適な1冊と思います。MBAでビジネスエコノミクスを本格的にやった方々には少し物足りないかもしれませんが、私はこの本を通読してもう一度ビジネスエコノミクスを勉強しようと思った次第です。

カバーされている内容は、基礎的なところから高度なところまで幅広いが、読みやすいがゆえにストレスを感じない。需要曲線と価格弾力性、市場と組織の経済学、エージェンシー理論とモラルハザード、逆選択、情報の非対称性、囚人のディレンマ、ゲームの繰り返しと協調、ホールドアップ問題、ポーターの競争戦略といった、民間企業の管理職(ある程度の決定権を与えられるポジション)の基礎素養としては必要かつ十分な理論を網羅している。それらは、すべて代表的な先行研究に裏打ちされた形で提示されている。そして、ケースが日本のケースなので、親しみを持ちながら理解することが可能である。

日本のビジネスパーソンが世界で戦ううえで必要な基礎素養の一つに、こういうビジネスエコノミクスがあると思う。はっきり言うと、日本のビジネスパーソンは、自分の仕事の領域は非常によく、深く勉強しているので、たとえば、自分が売ろうとしている商品や対抗商品についての説明力は群を抜いていると思う。しかし、それ以外の話題になると甚だ怪しい。理論を「机上の空論」としてバカにしているがゆえに、説明力が足りないと思う。

たとえば、Hirschman, A. O. (1970) Exit, Voice, and Loyalty: Response to Decline in Firms, Organizations and States. Cambridge, MA: Harvard University Press. 邦訳 アルバート・O・ハーシュマン『離脱・発言・忠誠―企業・組織・国家における衰退への反応』矢野修一 訳、ミネルヴァ書房なんて本は、頭のよさを試される本だが、この骨太な理論で大方のことは説明がつく。こういう素養があれば、海外のビジネスパーソンと渡り合う時にも苦労はしない。彼らは、そういったモデルをよく知っているので、説明力が高い。我々もそういったことを理解したい。こういう本を読んで理解するのは難儀なことだが、ビジネスエコノミクスにはこういう理論への言及もしっかりとされている(pp102-106)。各章の末尾の参考文献もしっかりと厳選されていて、次のステップに進みやすくしているのはよいことだと思う。

ただ、様々な理論をケースを加えて読みやすくして、しかも350ページ程度に収めているので、どうしても表面的な紹介になってしまっている。多忙なビジネスパーソンがサクッと読めて理解できる点では特筆できるが。もう少し学びたいと感じる方は、 丸山雅祥(2005)『経営の経済学』有斐閣に進んではいかがでしょうか。『ビジネスエコノミクス』と『経営の経済学』を比較すると、どちらがよいかではなく、ターゲットとする読者層が明らかに違うと考えてよいと思う。『ビジネスエコノミクス』はより幅広く、経済学の知識があまりなく、しかも今までそういう書物に触れてこなかった層を対象としていて、『経営の経済学』は、マネジメントや経済学への興味が高く、そういう書物には触れてきたが経済学の知識がない、つまりビジネスリテラシーが高い層をターゲットとしている。どちらも非常に良い本なので、どちらも手にとって、自分の1冊を読みこんでほしい。

伊藤元重(2004)『ビジネス・エコノミクス』日本経済新聞社

目次
序章  ビジネス・エコノミクスとは
第2章 価格戦略と儲けの仕組み
第3章 価格からビジネスの構造が見える
第4章 市場メカニズムを活用する
第5章 エイジェンシーの理論―モラルハザードと逆選択
第6章 ビジネスは「ゲーム」だ
第7章 経済学で競争戦略を解剖する
第8章 デジタル革命は何を変えたか
第9章 ビジネスは世界に広がる
終章  ビジネス環境は変わり続ける
索引

2010年7月11日日曜日

ビジネス・エコノミクス(伊藤)

ブックオフで105円だった伊藤元重(2004)『ビジネス・エコノミクス』日本経済新聞社を読んでみます。
ビジネスエコノミクスでは、この本が分かりやすいとMBA時代の友人が推薦していました。

ビジネスエコノミクスは、MBA時代に履修しました。その時は丸山先生の丸山雅祥(2005)『経営の経済学』有斐閣がテキストでした。これと比較してどちらがよいか、考えながら読んでみます。

これからの「正義」の話をしよう(サンデル) 読了しました

読み終わりました。思考を鍛えるために、大学学部生に読んでほしい1冊です。

本の内容は、NHK「ハーバード白熱教室」の講義録で、ほぼその内容を敷衍する形で進んでいます。放送をご覧になったかたはより深く理解が進むと思います。残念ながらNHKは一部しか見ることはできませんが、英語のオリジナル(Justice with Michael Sandel)であれば、すべての回を見ることができます。ただ、学生とのインタラクションによって、議論が深まって素晴らしい仕上がりの講義になっているのですが、講義録にはそのインタラクションは入っていません(当然ですね)。


ベンサムとミルの功利主義、ノージックのリバタリアニズム、市場と倫理、カントの「道徳形而上学原論」から自由な選択と動機、ロールズの「正義論」から平等と正義、アリストテレスの「ニコマコス倫理学」「政治学」から目的因(テロス)など、西洋法哲学の歴史を俯瞰しながら様々なケースを用いて、平易に説明していく。救命ボートのカニバリズム、煙草会社の出した肺がんの便益、フォードの爆発するガソリンタンクの補修費と安全性向上の便益、マイケルジョーダンのチケット、徴兵制・志願兵・傭兵、ビルとモニカ、アファーマティブアクション、妊娠中絶をめぐる議論、同性婚など、アメリカ人であればいやでも直面する身近な問題に、哲学の理論との接点をうまく見つけて説明している。

私は、イギリスとアメリカに長く駐在していたこともあって、特にビルとモニカの問題についてはアメリカでその時代の空気を吸って身近な問題として理解できるし、イラク侵攻の日にアメリカを去った人間として、イラク侵攻前の張りつめた空気のなかで徴兵制と志願兵の問題が語られていたことも十分に理解しているので、例が非常に適切であると感じられた。このように豊富なアナロジーを提示しながら教えていく手法は、非常に効果的と感じる。

最近、グローバル人材をどのようにして育成するかといった議論が盛んである。世界で活躍するためには、英語のコミュニケーション(こういう場合はOralな部分を指すことが大部分)が重要である、といった議論も盛んである。しかし、様々な欧米人と渡り合ってきた経験からいうと、英語も大事だが、それよりも重要なのは、プラトン・アリストテレスに始まる哲学や聖書への理解である。それには大学の一般教養で行われている教育が非常に有用であると改めて感じる。欧米人の思考回路は、西洋哲学とキリスト教に裏打ちされている。アメリカ人と同じ空気を吸うことはできなくても、思考回路の元は幸いにも日本語で勉強できる。英語が上手なことはいいことだが、英語が上手なだけでその思考回路に迫っていなければ、彼らとの交渉で「なぜ」こういう結論に行きつくのか、という深いところは理解できないと思う。

この本が、そういう基礎素養を身につけようとする人々のきっかけとなればよいと思う。

Sandel, M.(2009) Justice: What's the Right Thing to Do? New York: Farrar, Strauss & Giroux. 邦訳 マイケル・サンデル(2010)『これからの「正義」の話をしよう―今を生き延びるための哲学』鬼澤忍 訳、早川書房。

目次
第1章 正しいことをする
第2章 最大幸福原理―功利主義
第3章 私は私のものか?-リバタリアニズム(自由至上主義)
第4章 雇われ助っ人―市場と倫理
第5章 重要なのは動機―イマヌエル・カント
第6章 平等をめぐる議論―ジョン・ロールズ
第7章 アファーマティブ・アクションをめぐる論争
第8章 誰が何に値するか―アリストテレス
第9章 たがいに負うものは何か―忠誠のジレンマ
第10章 正義と共通善
謝辞
原注

(訳者のまえがきやあとがきが一切ないのは非常に好感が持てるやり方です!)

2010年7月4日日曜日

食事もせずに仕事

食事もしないで本を読んで仕事に没頭していました。
梅雨の間の晴れ間が少しあるような1日ですが、息子は勉強しているし、なかなか声をかけづらい。こういう日は、本を読むに限ると思って読み始めましたが、仕事が残っているのに気づいて、仕事をしていました。食事もせずに没頭していたらもうこんな時間でした。

そろそろやめて散歩にでも行かないと・・・・。

2010年7月3日土曜日

これからの「正義」の話をしよう(サンデル)

NHK「ハーバード白熱教室」が終了しました。英語のオリジナル(Justice with Michael Sandel)であれば、すべての回を見ることができますので、ぜひご覧ください。iTuneでもあったと思います。
 
ハーバードはアメリカ最高峰の一つですので、このレベルの授業がすべてのアメリカの大学で行われているとはいえないと思いますが、あれだけの教室(というかホールです)に集まったおそらく1000名を超える学生を相手に、ソクラテス問答法に近い授業が展開されているのは、驚きを超えて感動です。一人で、しかも学生との距離がある空間の中で、インタラクティブに授業を展開する力量は、素晴らしいの一言でした。私も会社で研修講師をすることがあり、この授業の進め方は非常に参考になります。

神戸MBAでも海外で教鞭をとられたり学位を取られた先生は、こういう感じの授業の進め方をされます。黙っているとどんどん指名され、それを機に議論が始まっていく。サンデル先生のようにはいかないまでも、70名の学生(しかも全員海千山千の社会人)を前に、ぐいぐいと授業を進めていく力量ある先生方が多く、神戸MBAで学ぶよさになっていると思います。

今回は、出版初日に購入して、積読状態だったSandel, M.(2009) Justice: What's the Right Thing to Do? New York: Farrar, Strauss & Giroux. 邦訳 マイケル・サンデル(2010)『これからの「正義」の話をしよう―今を生き延びるための哲学』鬼澤忍 訳、早川書房。を読みます。Penguinのペーパーバックが安いので、英語で読める方は、こちらがよいと思います。

NHKを最初からご覧になっていない方は、英語で全部の回を一度見てから読むと分かりやすいと思います。