2010年6月14日月曜日

楠木先生とお会いしました!

小川先生のゼミに押しかけ聴講をお願いして、一橋ICSの楠木建先生のお話しをお伺いしました。このブログでも紹介した楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略:優れた戦略の条件』東洋経済新報社の著書です。

面白かった話として、象が入るぐらいの冷蔵庫に象を入れるとき、「ドアを開ける」⇒「入れる」⇒「締める」の3段階だが、かばを入れるときには4段階になる。どうなるか、というなぞかけに、みんなが答えるが的外れでした。結局「象を外に出す」というのが落ちでしたが、戦略の2つの本質として、「違いを作って」「つなげる」という話。またフレームワーカーやテンプレーターという戦略本にある考え方にフィットさせてしまっているだけ、つまり「戦略作りの下ごしらえ」だけではだめで、手に取るようにストーリーが出てくるよう、「静止画」ではなく「動画」としてのストーリーで語れるようにというお話でした。あと、「コギャル」の話、つまり真似しようとすること自体が違いを増幅する、という話は、本にも紹介されているのですが、具体的にお話いただくとまたこれがよかったです。ちなみに、本のコギャルの話は仙台の話だそうです。そのほかにも魅力的なお話でした。小川先生とCDで聞く小林秀雄という話で盛り上がっていたのですが、楠木先生の本を読んで講義を聴くと、その効用が非常に理解できます。

やはり、小川ゼミに押しかけた身分としては、お話しようと思っても少し遠慮してしまいました。どこかでまたお話したいと思いました。小川ゼミ3回生やMBAの方々にも親切にしていただいて感謝しています。重ねて御礼申し上げます。神戸MBAで得ることができた一つの財産が、こういうつながりです。 小川先生には授業で教わっただけですが、こうやってお願いすると教えを請うことができる。またこうやって親しくお話くださる。そしてまた人と出会うことができる。知的好奇心も満たされ、すばらしい学びがあると思います。昨日、金井先生と高橋先生で「リーダーシップ祭」も神戸大学で開催されていたので、それも行きたかったのですが、仕事でいけず(小川ゼミも遅刻)、残念でした。こういうつながりでも、神戸MBAの一員でよかったと感じます。

なお、楠木先生のツイッターでも紹介されていて、小生も紹介している勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館、 お薦めです。表現方法は違いますが、フレームワーカー・テンプレーター的な思考とは何か、その思考の鋳型にはめ込もうとする著者、またそういう思考を無批判に受け入れる読者がいる。あほな書きぶりですが、かなり本質を突いていると思います。ぜひご一読を。

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