2010年6月1日火曜日

ビジネス書大バカ辞典(勢古)

昨日、大阪空港で時間つぶしに立ち読みしていて見つけたのが、勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館です。自分自身はハウツービジネス書を全く読みません。その人が成功した環境、能力また経路も違うのに、「これをやれば成功する」なんて、信じて読むほうがおかしいわけですが、そんな本があふれています。そういう本を痛快にメッタ斬りする本です。言葉遣いが下品ですが、そういう本を書く自称コンサル君の思考の浅さ。この本の中に登場する数名を崇拝して読んでいる部下がいます。「こんなの知ってましたぁ」なんていわれても「知らん」としかいえないわけで、「そんなんより新書でも読んだほうがええんちゃう?」といつも言っています。

今日、監査役に「seataku、なんか最近読んだ本あるか?」と言われたので、お渡ししました。この監査役は博学で、ウェーバーの「プロ倫」の話やフッサールで大盛り上がりしました。ですからこんなしょうもない本を渡してもいいかな、って思いましたが、「こんな本(ハウツービジネス書のこと)読む人もいるよね。意味ないのに。これ借りておきますね」とのことでした。こちらからは、あとメールで、数冊ご紹介しました。楠木建(2010)『ストーリーとしての競争戦略―優れた戦略の条件』東洋経済新報社と、Sandel, M (2009) Justice: What's the Right Thing to Do? Farrar, Strause & Giroux. 邦訳 マイケル・サンデル(2010)『これからの正義の話をしよう:今を生き延びるための哲学』鬼澤忍訳、早川書房は当然ご紹介です。

勢古浩爾(2010)『ビジネス書大バカ辞典』三五館
目次
第1章 なんでビジネス書を読むの?
第2章 恐るべき三人のつわもの
第3章 三冊の元祖本と成功法則
第4章 本を読んで金が儲かるってホント?
第5章 不当表示?誇大広告?めくるめく書籍タイトルの世界
第6章 胡散くさい二人の導師
第7章 その場しのぎの一姫二太郎
第8章 「成功」することと人生
第9章 読むなら、経営者の自伝
第10章 仕事とは全人的作業である
付録 あのベストセラービジネス書を採点する

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